ビーリンサイトの特徴

1. B細胞上に発現するCD19とT細胞上に発現するCD3の両方に特異性をもつ二重特異性T細胞誘導（BiTE）抗体であり、B細胞性ALL細胞にT細胞を誘導することで抗腫瘍効果を発揮する免疫療法剤です。

   作用機序

2. 成人の再発又は難治性のPh陰性B細胞性ALL患者を対象とした海外第Ⅲ相比較対照臨床試験（TOWER試験）では、全生存期間（OS）において、標準化学療法群に対するビーリンサイト群の優越性が検証されました。
   OSの中央値は、標準化学療法群で4.0ヵ月（95%CI：2.9-5.3ヵ月）、ビーリンサイト群で7.7ヵ月（95%CI：5.6-9.6ヵ月）でした。

   TOWER試験

3. 成人の再発又は難治性のPh陽性B細胞性ALL患者を対象とした海外第Ⅱ相臨床試験（Alcantara試験）において、最初の2サイクル以内のCR/CRh^*率は35.6%（45例中16例、95%CI：21.9%-51.2%）でした。

   Alcantara試験

4. 小児の再発又は難治性のB細胞性ALL患者を対象とした海外第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験（MT103-205試験）において、第Ⅱ相パートにおける最初の2サイクル以内のCR率は31.8%（44例中14例、95%CI：18.6%-47.6%）でした。

   MT103-205試験

5. 重大な副作用として、神経学的事象、感染症、サイトカイン放出症候群、腫瘍崩壊症候群、骨髄抑制及び膵炎があらわれることがあります。
   異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
   主な副作用（5%以上）は、免疫グロブリン減少、高ビリルビン血症、筋骨格痛、疲労でした。
   製品の電子化された添付文書における副作用の項及び各試験成績の安全性をご参照ください。

   安全性

1. 流速が適切に管理できる輸液ポンプを用いて、28日間持続的に投与する点滴静注剤です。

   ビーリンサイトによる治療の概要

2. 輸液安定化液が添付されています。輸液安定化液は、本剤が輸液バッグや輸液チューブに吸着するのを防ぐために、輸液バッグに加えて使用します。調製時は、本剤を注射用水で溶解し、その溶液を輸液安定化液が入った輸液バッグに加えます。輸液安定化液は本剤の溶解に用いないでください。

   ビーリンサイト輸液バッグの
   調製手順

CR：完全寛解
CRh^＊：造血機能の部分的な回復を伴う完全寛解