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重要な副作用とその対策

神経学的事象

  • 本剤投与により、脳神経障害、脳症、痙攣発作、錯乱状態、失語症などの神経学的事象があらわれることがあります。
  • 神経学的事象として痙攣発作、意識障害等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意してください。
  • ALLの活動性中枢神経系病変を有する患者、及びてんかん、痙攣発作などの中枢神経系疾患を有する患者又はその既往歴のある患者は、神経学的事象の症状が悪化する又はあらわれるおそれがあるため、症状の発現に注意してください。再発又は難治性ALL患者において、成人では2~15%10-15)、小児では約19%16)に中枢神経系病変が認められたとの報告があります。

なお、臨床試験6-9)では、てんかん、痙攣、麻痺、失語、脳卒中、重度の脳損傷、認知症、パーキンソン病、小脳疾患、器質性脳症候群、精神障害、脳血管虚血/出血、協調運動又は運動障害等の中枢神経系疾患の臨床的意義のある既往歴又は現病歴のある患者は、除外されていました。

1)神経学的事象※1の発現状況

試験名・対象患者 全グレード
の有害事象
の発現率
グレード3以上
の有害事象
の発現率
投与中止に
至った有害事象
の発現率
初回発現までの
期間中央値
(範囲)
国内第Ⅰb/Ⅱ相臨床試験9) 成人(n=26) 12(46.2%) 0 0 10.0(1~124)日
小児(n=9) 7(77.8%) 0 0 15.0(1~86)日
海外第Ⅲ相比較
対照臨床試験6)
本剤投与群 成人(n=267) 157(58.8%) 25(9.4%) 8(3.0%) 8.0(1~190)日
標準化学
療法群
成人(n=109) 54(49.5%) 9(8.3%) 1(0.9%)
海外第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験8) 小児(n=70)a 40(57.1%) 6(8.6%) 0 7.0(1~58)日
海外第Ⅱ相臨床試験7) 成人(n=45) 28(62.2%) 6(13.3%) 0 10.0(1~62)日

a:1サイクル目の1~7日目は5μg/m2/日、それ以降は15μg/m2/日を投与された患者

国内第Ⅰb/Ⅱ相臨床試験9)、海外第Ⅲ相比較対照臨床試験6)、海外第Ⅱ相臨床試験7)、海外第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験8)で発現した、主な神経学的事象は下記のとおりでした(n=440)。

有害事象名 全グレードの発現率 グレード3以上の発現率
頭 痛 139(31.6%) 6(1.4%)
不眠症 42(9.5%) 1(0.2%)
振 戦 40(9.1%) 1(0.2%)

また、脳神経障害、脳症、痙攣発作、錯乱状態、失語症の発現状況は下記のとおりでした(n=440)。

有害事象名 全グレードの発現率 グレード3以上の発現率
脳神経障害 5(1.1%) 0(0.0%)
脳症 7(1.6%) 4(0.9%)
痙攣発作 9(2.0%) 3(0.7%)
錯乱状態 17(3.9%) 4(0.9%)
失語症 9(2.0%) 2(0.5%)

※1:SOC「精神障害」並びにHLGT「運動障害(パーキンソニズムを含む)」、HLGT「神経学的障害NEC」、HLGT「睡眠障害(亜型を含む)」、HLGT「精神的機能障害」、HLGT「脱髄疾患」、HLGT「頭蓋内圧亢進および水頭症」、HLGT「頭痛」、HLGT「脳器質性疾患」、HLGT「脳症」、HLGT「脳神経障害(新生物を除く)」及びHLGT「発作(亜型を含む)」に含まれるPTを神経学的事象とした。
なお、これらのSOC、HLGTを用いた検索時には、プライマリーSOCに配置されているPTを神経学的事象とした。

2)消失までの期間

海外第Ⅲ相比較対照臨床試験6)において、神経学的事象(直接的な神経毒性による中枢神経精神事象※2)が発現した患者のうちすべての事象が消失した患者の割合は、本剤投与群で88.4%、標準化学療法群で77.8%でした。消失までの期間中央値(範囲)はそれぞれ6.0(1~313)日、5.5(1~380)日でした。また、グレード3以上の神経学的事象(直接的な神経毒性による中枢神経精神事象)が発現した患者のうちすべての事象が消失した患者の割合は、本剤投与群で74.1%、標準化学療法群で77.8%であり、消失までの期間中央値(範囲)はそれぞれ2.5(1~133)日、1.0(1~16)日でした。

※2:sponsor-predefined strategy of Central Neuropsychiatric Events due to Direct Neurotoxicities(neurologic events from Amgen MedDRA search strategy)にて定義された事象を含む。

3)対処法

神経学的事象が発現した場合は、投与を中止、中断又は減量などの適切な処置を行ってください。なお、痙攣発作が2回以上起こった場合、グレードにかかわらず投与を永続的に中止してください。(「副作用による投与量の調節について 」参照)
国内第Ⅰb/Ⅱ相臨床試験9)においては、神経学的事象の治療として、デキサメタゾンが投与されました(成人:最大3日間、24mg/日投与後、4日間かけて減量。小児:最大3日間、0.2~0.4mg/kg/日(最大1日24mg)を1日あたり3回に分け投与し、4日間かけて減量)。とりわけ、神経学的事象が痙攣であった場合には、適切な抗痙攣薬(例:フェニトイン又はレベチラセタム)が投与されました。
この臨床試験の規定を参考に、適切に対応してください。

*静脈内投与の場合はデキサメタゾンリン酸エステルナトリウムとして、経口投与の場合はデキサメタゾンとしての用量。

6)承認時評価資料(海外第Ⅲ相試験(00103311試験))
7)承認時評価資料(海外第Ⅱ相試験(20120216試験))
8)承認時評価資料(海外第Ⅰ/Ⅱ相試験(MT103-205試験))
9)承認時評価資料(国内第Ⅰb/Ⅱ相試験(20130265試験))
10)Gokbuget N et al, Blood. 2012; 120: 1868-1876.
11)Oriol A et al, Haematologica. 2010; 95: 589-596.
12)Fielding AK et al, Blood. 2007; 109: 944-950.
13)Tavernier E et al, Leukemia. 2007; 21: 1907-1914.
14)Giebel S et al, Ann Hematol. 2006; 85: 717-722.
15)Di Bona E et al, Leuk Lymphoma. 2005; 46: 879-884.
16)Stary J et al, J Clin Oncol. 2014; 32: 174-184.

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こちらのページでは、抗悪性腫瘍剤/二重特異性抗体製剤ビーリンサイト(ブリナツモマブ)の 重要な副作用とその対策 神経学的事象をお届けいたします。

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