ビーリンサイト調製・投与マニュアル
②ビーリンサイトによる治療の概要
投与量と投与サイクル
合計28日間の持続点滴静注と14日間の休薬を1サイクルとし、寛解導入療法として2サイクル、地固め療法として最大3サイクルまで投与できます。その後、28日間の持続点滴静注と56日間の休薬を1サイクルとし、最大4サイクルまで投与できます。
寛解導入療法 (1サイクル目) |
寛解導入療法 (2サイクル目) |
維持療法 (最大4サイクルまで) |
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および▼ 地固め療法 (最大3サイクルまで) |
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開始用量 7日間 |
継続用量 21日間 |
休薬 | 継続用量 28日間 |
休薬 | 継続用量 28日間 |
休薬 | |
体重 45kg 以上 |
1日 9μg |
1日 28μg |
14日間 | 1日 28μg |
14日間 | 1日 28μg |
56日間 |
体重 45kg 未満 体表面積に 基づいて算出 |
1日※1 5μg/m2 |
1日※2 15μg/m2 |
1日※2 15μg/m2 |
1日※2 15μg/m2 |
デキサメタゾンによる前治療および前投与
前治療
神経学的事象、サイトカイン放出症候群、および腫瘍崩壊症候群の発現を軽減するため、骨髄中の白血病性芽球の割合が50%超、または末梢血中の白血病性芽球数が15,000/μL以上の場合には、デキサメタゾンによる前治療の実施を検討してください。
50%超 または 末梢血中の白血病性芽球数が
15,000μL以上
デキサメタゾンによる
前治療を検討
[参考]海外第Ⅲ相比較対照臨床試験(00103311試験)および国内第Ⅰb/Ⅱ相臨床試験(20130265試験)におけるデキサメタゾン※3の投与方法
投与タイミング | デキサメタゾン※3投与用量※4 (1日あたり) |
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成人および小児 | ビーリンサイト投与前 最長5日間まで |
10mg/m2以下※5 静脈内投与が望ましい |
前投与
サイトカイン放出症候群の発現を軽減するため、すべての患者にデキサメタゾンによる前投与を行ってください。
[参考]海外第Ⅲ相比較対照臨床試験(00103311試験)および国内第Ⅰb/Ⅱ相臨床試験(20130265試験)におけるデキサメタゾン※3の投与方法
投与タイミング | デキサメタゾン※3投与用量※4 | ||
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成人 (18歳以上) |
各サイクル | ビーリンサイト 投与開始前 1時間以内 |
20mg 静脈内投与 |
用量増量前 | |||
小児 (18歳未満) |
1サイクル目 のみ実施 (2回投与) |
1回目
ビーリンサイト 初回投与開始 6~12時間前 |
10mg/m2 経口または静脈内投与 |
2回目
ビーリンサイト 初回投与開始前 30分以内 |
5mg/m2 経口または静脈内投与 |
ビーリンサイトの投与中断後、投与を再開する場合も同様の前投与を実施。
再発又は難治性のB細胞性ALLを対象とした国内第Ⅰb/Ⅱ相臨床試験(Horai試験)に参加した日本人患者のうち、本剤の投与を受けた18歳以上の患者26例中26例(100.0%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められ、主な副作用は、サイトカイン放出症候群12例(46.2%)、発熱12例(46.2%)、好中球減少10例(38.5%)及び血小板減少9例(34.6%)であった。また、同試験にて本剤の投与を受けた18歳未満の患者においては9例中8例(88.9%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められ、主な副作用は、肝酵素上昇6例(66.7%)、発熱6例(66.7%)、サイトカイン放出症候群5例(55.6%)及び腹痛4例(44.4%)であった。(承認時)
18歳以上の再発又は難治性のPh陰性B細胞性ALLを対象とした海外第Ⅲ相比較対照臨床試験(TOWER試験)において本剤の投与を受けた267例中214例(80.1%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められた。主な副作用は、発熱104例(39.0%)、好中球減少39例(14.6%)、サイトカイン放出症候群36例(13.5%)、発熱性好中球減少症29例(10.9%)、頭痛27例(10.1%)、肝酵素上昇27例(10.1%)及び血小板減少27例(10.1%)であった。(承認時)
18歳以上の再発又は難治性のPh陽性B細胞性ALLを対象とした海外第Ⅱ相臨床試験(Alcantara試験)において本剤の投与を受けた45例中41例(91.1%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められた。主な副作用は、発熱21例(46.7%)、発熱性好中球減少症11例(24.4%)、貧血6例(13.3%)、頭痛5例(11.1%)及び肝酵素上昇5例(11.1%)であった。(承認時)
18歳未満の再発又は難治性のB細胞性ALLを対象とした海外第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験(MT103-205試験)において本剤の投与を受けた93例中80例(86.0%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められた。主な副作用は、発熱61例(65.6%)、貧血18例(19.4%)、サイトカイン放出症候群15例(16.1%)、肝酵素上昇15例(16.1%)、血小板減少15例(16.1%)、白血球減少14例(15.1%)、好中球減少14例(15.1%)及び頭痛11例(11.8%)であった。(承認時)
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